第8回:2015年かつら業界をとりまく環境

Market Report Vol.08

市場の展望-第8回

 かつらの販売を担う一経営者として、業界の「過去の経緯」「現在の状態」「これからの市場の展望」 について、私自身の抱く希望や危機感も含めて、思うところを徒然に書いてみたいと思います。
これは、社長の思いであり、我が社の経営環境、経営理念、経営目標の再確認でもあります。

代表取締役 島田広夫

2015年かつら業界をとりまく環境

前回、2010年、12月の投稿から、はや5年が経過いたしました。
リーマン事件以降、いろいろな出来事がありました。
国内、外を見れば騒々しく、楽しい話は全く聞こえてきません。
こんな話を知人から聞きました。
東京都内に買ったマンションが、ある不動産会社から2倍近い価格で買いたいと申し込みがあったそうです。
オリンピック需要はもちろん、以前から言われ続けた東京一極集中の表れではないでしょううか。

さて、西日本のかつら業界の環境として
当社は関西を中心に創業36年になります。
約20年前からは中国・四国エリア、北陸エリアを無店舗、訪問販売を始めました。
当初は山間部では新規需要が70%、小都市部で30%の割合でした。
これらのことは、購買層が高齢者なので自宅まで来てくれる事の需要が大きかったのだと思います。
現在はその割合は逆転し、2014年時点で山間部では新規需要は殆んどなく、買い替え需要が80%にのぼります。
当社の新規とスペアを合わせた総数量ベースはここ数年、横ばい状態にあります。
原因は、需要の一巡と高齢化により、お亡くなりになったり又、使用をやめたりと人口減少、需要減少となっているのではないかと思います。

地方の小都市で共通して気付く事があります。
以前は何も無かった広大な地域に、驚くような郊外型大型スーパーがあちこちにできています。
その大型スーパーを取り囲むように新興住宅が多く目に入るようになりました。 ちなみにその大型スーパーはイオン系が特に目立ちます
他方、既存商店街を通り抜けると、商店街のシャッター通りばかりが並び立ち、朽ち果てた小さな工場跡地に残された錆びた鉄骨、シャッターが壊れ落ちた長屋式工場の残骸ともいえる風景は寒々した気持ちになります。
行き先々にその周辺に空き家が目立ちます。
お客様から自宅や土地の売却の相談を受ける事もあります。
高齢化した人々は不便な山間部から買い物、交通、生活の安全性、利便性から都市部に移動しているのでしょうか。

2年ほど前から自然消滅都市という言葉を耳にするようになりました。
地方都市の出生率と少子化の関係、購買人口減少、大都市への人口集中化など不安を感じます。
2013年から東関東エリアで販売をはじめた理由は長野、群馬、栃木、茨城、福島など未開拓エリアに新しい市場を求めたからです。

当社の事業展開

当社では、その後も毎月、社員の技術教育、マネージメント、日々の心構えなどを含めて勉強会を開催してます。
販売促進のためには、お客様へ定期的にキャンペーンの実施しています。
当社の環境の変化としては次のことがありました。

2008年と2010年にかつらの特許を取得。
2012年 低価格帯の製品販売のためのショップ、ポルテをオープン。
2013年、全店にポスレジの導入。
2013年、東関東エリアに広告を開始。受注目標、年間1500万円
2014年、京都スタジオが採算ベースに乗る。
2015年、低価格店舗、心斎橋ポルテを閉鎖。
2015年、9月横浜スタジオ(横浜市中区)、オープン。
2015年、2年越しのビジネスモデルが完成の予定です。発表会は未定です。
円安が進み、2年前1ドル80円が2015年7月124円。当社はドル建て支払いのために影響されます。

2015.09.30 つづく