第2回:変化と出来事

Market Report Vol.02

市場の展望-第2回

 かつらの販売を担う一経営者として、業界の「過去の経緯」「現在の状態」「これからの市場の展望」 について、私自身の抱く希望や危機感も含めて、思うところを徒然に書いてみたいと思います。
これは、社長の思いであり、我が社の経営環境、経営理念、経営目標の再確認でもあります。

代表取締役 島田広夫

変化と出来事

 1980年当時、日本の法整備の不備、不正競争防止法とか顧客名簿の持ち出し問題に対し 違法意識は全く無かったといってもいいでしょう。 現在の個人情報漏洩問題は、ごく最近やっと出来たばかりです。
 1995年、2000年そして2002年と、たて続けにその認識を変える出来事と裁判の判例がだされました。
あるかつら販売会社から、1人の理容師が勤務先の営業所から顧客リストを持ち出し、さらに元勤務先の営業所の4軒隣、 10メートル先に店を構えたのでした。 当人の言い分は「顧客は個人の理容師につく」でした。
すぐにその会社は、裁判所に判断を委ねた結果、およそ次のような判例がでました。

 理容、美容業界と違い、かつら業界では、1人の顧客を得るために、広いエリアに莫大な広告費用を費やし、 遠方の一般の人々に知らしめ、販売努力がなされている。
 1、将来にわたり、その会社の顧客に電話、手紙をだしてはならない(500万円の罰金)
 2、理容行為をしてはならない(罰金、1回につき、2万円の罰金)
 3、もし、その顧客が来ても断らなければならない。及び製品を販売してはならない。
 (販売したときは40万円の罰金)

 1980年代、当時のウイッグの大手小売価格は、60万円前後、中・小専門店では1枚20~30万円平均。
この頃から、大手各社は将来の需要人口の減少、競争激化を予測し、そして若年層の取り込みに増毛、 育毛ビジネスの模索を始めます。

2008.11.26 つづく